そもそもエンディングノートとは?

そもそもエンディングノートとはどのようなものかというと、終活をしていく中で自分自身の亡き後、または万が一意識不明の状態等に陥ってしまった場合の対処方法や希望を記載しておくノートのことです。

自分の人生を終えるにあたり、「誰かに思いを伝えるため」、「ご自身の死後を円滑にしていくため」にエンディングノートを作っておくと良いでしょう。

残された方々への想いを込めて

エンディングノートは自分のためではなく、残される方々のために作っておくものです。
また、残される方々が困らないように記すのはもちろんですが、日記のようなメッセージや自分自身の希望をいくつか記載しても良いでしょう。

エンディングノートと遺言書は違う!

まず、エンディングノートは遺言書ではないことをしっかりと認識しておきましょう。

遺言書として考えないこと

エンディングノートは、ご自身の人生の最期に向けて作るものですが、遺言書ではありません。
エンディングノートはどんなに入念に記載したところで、遺言書のような法的効力は持っていません。あくまでも残された方々に対するメッセージのつもりで記載しましょう。

公的証書の遺言書を作っておくと安心

ご自身の遺産に関してもエンディングノートに記載して構いませんが、これとは別に遺言書を公的証書として作っておくとさらに安心です。
また、公的証書として遺言書を残してあることを、エンディングノートに記載しておくといった方法もよいでしょう。

エンディングノートは何度も読み直す

エンディングノートを作った後は何度も読み返し、細かな項目をチェックしてみましょう。
足りない部分を補いながら修正していくと良いです。

何度もお話ししたように、エンディングノートは遺言書ではありませんので、失敗してしまっても書き直せば良いのです。
使用するノートに関しても、特に決まりはありません。ご自身の気に入ったものをエンディングノートにしましょう。

また、エンディングノートを作ったあとはできるだけ湿気やカビなどを防げるような場所で保管し、綺麗な状態で残すことも意識しましょう。
もちろんエンディングノートの中身は消えてしまうことがないように、また修正されてしまうことがないように、油性のボールペンなどを使って記載しておく事も重要です。

エンディングノートに必ず記載したいこと

エンディングノート
エンディングノートは自分のためではなく、残される者のために作るものです。

残された者は葬儀の手配を始めとしてその後、最終的には財産分与まで行っていかなくてはなりません。
残された者が困らずスムーズにご自身の死を受け入れることができるように、エンディングノートに必ず記しておきたいことを把握しておきましょう。

自分の情報

エンディングノートには、まず始めに自分のことをしっかりと記載しておくことが大切です。
誰が作ったエンディングノートなのかを知らせるためにも、「ご自身の本籍」をはじめ「過去の勤務先」や「住民票コード」などを記載しておきましょう。

また、健康保険証やパスポート等を所有している方はこうしたものの「保管場所」を記載しておく事も大切になります。
現在では「マイナンバー」が配布されていますので、マイナンバーをわかりやすくエンディングノートに記載しておく事も大切です。

さらには、預貯金についてわかりやすく「銀行名や口座番号」さらには口座を使って引き落とされている公共料金などがあれば、こうした部分についても記載しておきましょう。

葬儀や法要に関すること

エンディングノートにはご自身の葬儀や法要に関することを記載しておくのも良い方法です。
近年では大々的な葬儀を嫌い、シンプルな葬儀だけでよいといった希望や、葬儀そのものをしなくて良いなどの希望を持つ方もいるでしょう。

「どのような葬儀が良いか」、そしてその後の「法要」をどうして欲しいのかをエンディングノートに記載しておきましょう。
もちろんこうした内容は生前にご家族と話し合っておくことも大切ですが、改めてエンディングノートに記載しておくことで残された者にも本当の気持ちが伝わります。

友人や職場関係の情報

これまでの「友人関係や職場での関わり」などをエンディングノートに記載しておくことも忘れずに行いましょう。

現役で働いている方の場合には会社に連絡が入ることになりますが、それ以外にも友人の方々に連絡をして欲しい場合には、エンディングノートに記載しておくことで漏れずに連絡をしてもらうことができるでしょう。

特に注意したい点

エンディングノート
さて続いては、エンディングノートを作る際に特に気をつけておきたい部分をお話しします。

お金や資産について

エンディングノートは法的な効力を持っていませんが、自分や残されたご遺族にとって大切な情報を記載するものです。
万が一、エンディングノートを紛失してしまった場合には赤の他人に様々な情報を知られてしまうことになるでしょう。

そのため、口座をはじめ、その他大切な情報に関しては、「ご家族のみが分かるように工夫」しておく事も重要になります。

例えば銀行口座の暗証番号等については「誕生日」とだけ記載しておくことや、どこかにパスワードを書いた紙などを保管しておき、エンディングノートにはその「保管場所」を記載するといった方法が望ましいです。

また、誰かに「お金を貸している」「借りている」などという状況にあれば、こうしたこともエンディングノートに記載しておきましょう。
そうすることによって、ご自身の死後、ご遺族と他人がお金のことでトラブルになってしまう心配もありません。

もちろん誰かに貸したお金を返してもらうつもりがないという気持ちであれば、こうした気持ちもエンディングノートに記載しておくと、なお良いですね。

医療に関すること

医療に関係することは多くの方が忘れてしまいがちです。
病気などで入院し、会話ができない状態になってしまった場合の事もエンディングノートに記載しておきましょう。

「延命の措置」についてや「臓器提供の希望の有無」などに関してもエンディングノートに記載しておくと、ご家族の方が助かります。

エンディングノートは何度作り直しても良い

遺言書にも同じことが言えますが、エンディングノートも何度作り直しても構いません。
途中で状況や気持ちが変わった時は、何度でもエンディングノートを作り直しながらベストな状態で保管しておくように心がけましょう。

エンディングノートには大切な情報を記載するだけでなく、ご遺族や親しい友人へのメッセージなどを記載する事も可能です。

エンディングノートはご自身、そして残された方々のために作るものです。
残された方々が困らないように、必要な情報やご自身の意思・希望などを記入し、より良いエンディングノートを作ってみてはいかがでしょうか。