親族や相続人の関係を分かりやすく説明した「相続関係説明図」は、相続手続において重要な意味を持つ書類となります。

今回は、相続関係説明図の作成における重要なポイントをできるだけわかりやすく説明したいと思います。

相続関係説明図はパソコンでの作成が基本

「相続関係説明図」については、パソコンを使って作成するのが主流です。少し前だと手書きで書くのが普通でしたが、現在はより効率的で素早く作成できる方法としてパソコンが使われています。

スタンダードとなっているのが、エクセルやワードを使って作成するという方法です。手書きだと間違えたときに面倒ですが、パソコンだと何度も訂正できるメリットがあります。

インターネットから相続関係説明図用のテンプレートも無料でダウンロードできますので、チャレンジしてみるといいでしょう。

ただし、エクセルやワードで作成した相続関係説明図をそのまま提出用に使ってはいけません。もちろん紙での印刷も大切ですが、データとしての提出が求められた場合には、作成した内容を変更できない方式に保存してから提出しましょう。

一般的にはPDFなどの形式が無難です。

戸籍謄本や住民票からの転記を徹底する

次に相続関係説明図の作成を進める上で、必ず必要となる公的な書類をチェックしていきます。

この説明図に乗っている情報は、公式に正確なものとして取り扱われますので、それが間違っていると手続きの遅れなどが生じてくる可能性があります。

相続関係説明図には、相続人や被相続人の個人情報を記載しなければなりませんので、その情報源として必ず戸籍謄本や住民票などからの転記を徹底することが求められます。

住所の地番なども戸籍謄本に記載されている漢字などをそのまま使った方がいいでしょう。とにかく情報の一致が重要視されますので意識して作成しましょう。

相続関係説明図は相続人ひとりの名前で作成・捺印すること

ポイント
相続関係説明図を自分で上手に作成するには、正確な転記も当然大事ですが、書類としての有効性を維持するためには、他にも守るべき決まりがあります。ここが間違っているとせっかくの書類が無効になることもあるので注意してください。

相続関係説明図には「作成者」を記載する欄がありますが、一般的に作成者は相続人を指します。相続においては複数の相続人が存在することも多いですが、この作成者に関しては代表の人の名前だけを記入します。

複数人を列記すると、書類における責任性が曖昧になってしまうので必ず1人に決めてください。

また、見落としがちなのが捺印に関することです。相続関係説明図の作成者と遺産分割協議書の相続人の1人は必ず同じになります。両方とも同じ実印を使って捺印しておくことで、同一人物だと認識されます。

提出する公的機関によっては、捺印が必要ないという場合もあるようですが、ケースに関わらずに必ず同じ実印での捺印を心掛けておけば物言いは付きません。

相続関係説明図が見やすいと手続きがスムーズに!

これから相続関係説明図を作成しようとする方の中には、なぜそれほどこの説明図が重要視されるのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか?ここでは、その重要視される理由についてご説明します。

相続関係説明図を役所に提出する場合、転記に使用した戸籍謄本も一緒に添付しなければなりません。しかし、提出時にその原本は返却されることが一般的です。

これは、この説明図が正確だと見なされたという意味を持ちます。

役所での手続きも、結局は人間の手で処理が進められますので、相続関係説明図が見やすいと相続人である作成者への確認や再提出の必要もなくなります。

つまり、相続関係説明図を正しく分かりやすく作成することで、その後の手続きもスムーズに進めることができるようになるのです。