相続税の納付期限までに税金が払えない!

相続税には支払い期限というものがあります。しかし、どうしても現金が不足しており、期限内に収めることができない場合があります。
そうなると、高い利率で延滞金を支払わなければいけなくなります。

財産を相続したのに税金が払えない理由とは?

故人の財産を相続するときに、問題になるのが相続税の支払いです。
相続税は、相続する財産に対して税金を支払うシステムです。税額は相続する金額によって変わります。
非課税分はありますが、非課税分を超えた財産に対しては、税金を支払わなければいけません。

決められた税額を支払うことができないと、支払い不足分に対して利子が付くことになります。
その利子分も合わせて支払うことになるので、支払額が増えてしまいます。

なぜ財産を相続するのに、支払いができなくなるケースが発生するのでしょうか?
遺産をすべて現金で受け取れるのであれば問題はありませんが、不動産など物で財産を受け取る場合は、それを現金化しなければ税金は支払えません。
所有している不動産が売れるものであれば、すぐに現金を作ることはできますが、必ずしもそうとは限りません。
現金化できないのならば、不払いに陥ってしまいます。
期限内に相続税を支払えないケースで一番多いのは、すぐに現金化できないような不動産などの相続なのです。

相続税の支払い期限の延長はできるの?

悩む女性
相続税には申告期限があり、その期限は10ヶ月と定められています。
例えば、個人が2017年1月1日に亡くなった場合、相続人は相続税を2017年の11月1日までに支払わなければいけません。
期限を越えても納付はできますが、納税額が10万円を超えないと延納は出来ません。
また、現金で納税することが期限内にできない場合、担保を提供することができます。

では、どうしても期限内に支払いができないような場合、納付期限の延長はしてもらえないのでしょうか?

相続税の申告をどうしても期限内にできない場合は、延滞申請をすることができます。
ただし、延滞申請をした場合、いくつか決まりがありますので、それに従わなければいけません。
条件を満たせば、通常は5年まで延長が認められます。
さらに、相続する財産のうち不動産など現金以外のものが多数ある場合は、10年以上の延納が許されます。延納の最高は20年です。

延長申請をすれば利子税が安くなる

延納申請をせずに滞納した場合の延滞金には、年率14%程度の利子税がかかります。
但し、相続財産のうち不動産の割合が多い場合、延納申請をすることで、この利子税が大分安くなります。
相続財産のうち3/4以上を不動産が占める場合は、不動産等の価額に対する年率は20年払いで3.6%、不動産以外の価額は10年支払いで年率5.4%となります。
不動産の割合が1/2以上で3/4未満の場合は、不動産等の価額に対する税率は15年払いで年率3.6%、不動産以外の価額に対する税率は10年支払いで年率5.4%となります。
相続財産に対する不動産の割合が1/2未満の場合は、不動産等の価額に対する税率は5年払いで4.8%、不動産以外の価額に対する年率は5.4%となります。

このように、滞納したときに比べるとだいぶ安くなるので、不動産などの相続が多くて現金がすぐに用意できない場合は、延納申請をしてみるのがよいでしょう。